連載・韓国ひとり歩き 1991.04→1995.03(NHKテレビ アンニョンハシムニカ ハングル講座より抜粋)



通度寺

慶尚南道

藤本巧

釜山から北へ約30kmのところに、韓国三宝寺のひとう通度寺がある。
幾度となくこの寺を訪れた。


通度寺全景




LinkIcon通度寺への地図


修行僧

自然木をそのまま生かした梯子段が、米蔵に寄り添うように立て掛けられている。大雄殿、僧房などの屋根瓦は緩やかな弧を描き、ふっくらとした支柱は優しい。


米蔵の梯子


寺の随所から、李朝時代の面影が漂ってくる。修行僧たちは、朝早くから勉学に勤しむ。極楽庵では、僧侶が座禅をしていた。












極楽庵


道案内の老僧は、草木を押し分けながら、仙人のように軽やかな足取りで山を登っていく。うっそうとした木々の隙間から、徐々に寺の全景が浮かび上がってきた。老僧が「そこの大きな石によじ登れ」と言った。
その場所は、老僧しか知らない秘密の展望台だった。
旅人の目に、寺の風景がより鮮明に美しく映った。





石塔