連載・韓国ひとり歩き 1991.04→1995.03(NHKテレビ アンニョンハシムニカ ハングル講座より抜粋)



ウォントマックの古老たち

全羅南道

藤本巧

韓国の古寺巡礼をしていたところ、歪んだ松の自然木の柱に藁葺き屋根を載せた高床式の見張り台、ウォントマックが田園風景の中にポッンポッンと建っていた。


憩う古老たち




LinkIcon全羅南道への地図




その中では、パジ(下衣)・チョゴリ(上衣)の古老たちが、いつもゴロンと昼寝をしたり、花札や碁、将棋を楽しみながら日がくれるまで座していた。





ときには、悠然とキセルを吹かしながら、田圃で働く家族の姿を温かく見守っていた。











食事時になると楊柳の弁当箱を頭に乗せた子供たちがやってくる。
旅人は村々にあるのの憩いの場所で、古老たちを眺めているだけで旅の疲れがとれた。


敬老堂


近代化が進み今はもうこのようなのどかな姿は見られない。
古老たちは、田圃から少し離れた「敬老堂」で過ごすこととなった。小さなオンドル部屋に横になったり、壁にもたれたりして今度はテレビに見入っていた。